皮膚から侵入した化学物質が悪さをする?

経皮毒の核心部分は有害化学物質が皮膚から吸収されるということです。皮膚にはバリア機能があり、外部からの異物を防ぐ働きをしています。 なので、異物が肌内部に侵入することはありえないんですが、自然界には存在しない合成界面活性剤をはじめとする化学物質は例外といいます。

化学物質は分子量が500以下で脂溶性のものしか通さないといわれるバリア機能を突破し、さらに皮下組織にどんどん蓄積してしまいます。 そこから血液循環の流れにのって全身の臓器や器官に行き渡ることで、全身の不調や病気につながるといいますが....。

肌にとって化学物質が刺激になるのは間違いありません。しかし....

最初に行っておきますけど、合成界面活性剤や防腐剤、その他もろもろの化学物質が肌にいいということはまずありません。 というか肌に悪いものです。そうでなきゃ、化粧品を使う前にパッチテストをしてくださいなんていうはずないですから。

皮膚にとって化学物質が刺激になるのは間違いないです。そんな肌にとって刺激になるものを使い続けたらどうなるのか?ということについては「化粧品の有害性」で詳しく解説します。

多くの人が勘違いしている皮膚の仕組みや構造の1つに皮膚が何かを吸収する器官だと思っている人がいるということです。 これはおそらく化粧品メーカーが広告やCMで、「肌に栄養を与える」だとか、「有効成分を浸透させる」といったことを繰り返し言っているからだと思うんですが、 皮膚は基本的には何かを吸収するようにはできていません。

皮膚の表面には角質層と呼ばれる厚さ0.02㎜の薄い膜ながら肌に触れる外部刺激が肌に侵入してこないように肌を守る機能(=バリア機能)があります。 このバリア機能が働いているからには、外部からの異物というのは基本的には肌内に入ってこれません。

しかし、例外的にこの強固なバリア機能を透過してしまうものが3つあります。

● 経皮吸収型製剤(医薬品)
● 界面活性剤
● 化学兵器(サリンなど)

経皮吸収型製剤というのは、性ホルモンの外用剤や禁煙のためのニコチンパッチがそれにあたります。 注射を打たずともパッチを貼るだけで皮膚から吸収させて血管に入り、全身を巡って効果を発揮する医薬品があるんです。 (※経皮吸収されやすく、なおかつ経皮吸収したほうが効果が望める成分のみ)

化学兵器については説明は省略します。私たちが気にしなければいけないのが界面活性剤です。

界面活性剤にもいろいろあるんですが、皮膚のバリア機能への影響が大きいのはクレンジングや洗顔料、シャンプーなどの洗い落とす役割を持つものです。 成分名でいうと「ラウレス硫酸Na」「ラウリル硫酸Na」といったものですね。

これらの洗浄系界面活性剤は、非常に洗浄力が強いので汚れもろとも肌のバリア機能を破壊してしまいます。 そのため肌環境を大きく損ないます。ただ、損ないはしますが、肌の奥深くまで浸透し、蓄積されて、血流にのって全身を駆け巡るということはないです。

たとえば水溶性の化学物質であれば、そもそも角質層を通過するのが容易ではありませんし、 ラウレス硫酸Naなど脂溶性の成分の場合も角質層を通過することはできても細胞内は水溶性なので蓄積し続けることができません。

それからラウレス硫酸Naは、水に溶けるとマイナスのイオンとなりますがこのマイナスイオンが皮膚タンパク質のプラスイオンに引っ張られるため、結果的に奥まで浸透しません。

水溶性や脂溶性といったことはもちろん、皮膚のタンパク質との相互作用も成分の浸透性を考えるうえでは加味しないといけないということです。

ちょっとマニアックな説明になりましたが、ようするに皮膚から化学成分が浸透するといって限界があるし、蓄積することはないということです。

皮膚は決してザルではない!

皮膚のバリア機能は分子量が500以下で脂溶性のものほど通過しやすいといわれますが、だからと言ってその条件を満たすものなら何でも通すザルではありません。

外部からの異物に対してはまず肌の一番表面の角質層が防御壁の役割を果たしますが、次に異物に対して立ち向かうのが免疫系です。 分けの分からないものが侵入してきたら体内に備わった免疫が黙ってないわけですね。

免疫もすり抜けて体内に侵入し、蓄積して毒性を発揮するものに対しては体内の解毒システムが対応します。 体内の解毒システムについては、「身体の不調の原因になる7つの毒素」にあるとおりです。

「バリア機能」「免疫システム」「解毒システム」の3段構えで異物に対して対応するのが人間のカラダの仕組みです。 日常生活をおくるうえではこの3つの機能が正常に働いていれば、毒ガス攻撃を受けるといったことでもないかぎり経皮吸収毒性は気にする必要はないと思います。

ただ、浸透はしないといっても肌に触れることで刺激にはなるので、万全を期すのなら可能な限り化学物質が入っているものを避けるという選択をするのは普通にありだと思います。 それについては個人の選択であり、権利ですから。

経皮毒とその影響

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